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最高裁判所第三小法廷 平成4年(オ)85号 判決 1992年4月07日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人南健夫の上告理由について

抵当権の順位の変更(民法三七三条二項)は、同一不動産に設定された複数の抵当権相互間において優先弁済の順位を変更するものであり、抵当権の設定された時点を変更するものではないから、抵当権の順位の変更によつて、地上に建物が存在する状態で本件土地に設定された抵当権の順位が地上に建物が存在しない状態で本件土地に設定された抵当権の順位より優先することとなつても、本件土地の競売手続においてこれを買い受けた被上告人に対して上告人が法定地上権(民法三八八条)を有するものではないとした原審の判断は正当であつて、この点に関する論旨は理由がない。その余の論旨は、原審の認定しない事実に基づいて原判決を論難するものにすぎない。論旨は、いずれも採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 貞家克己 裁判官 坂上寿夫 裁判官 園部逸夫 裁判官 佐藤庄市郎 裁判官 可部恒雄)

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